智 慧 山 大 仏

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 プラジュニャ・ギリ山は、ナグプール市から東方に200キロ程離れたインド中央部のマッディヤプラデッシュ州ドンガルガル市(人口約4万人)にある、標高250メートル実測60メートルの岩山です。
 「プラジュニャ・ギリ」とは、ヒンディ語で「智慧」という意味で、当地の仏教会の依頼により、サンガ師が命名しました。サンガ師は兼ねてより、大乗仏教を広めたいとの思いを秘めていましたが、仏教徒が多く住むドンガルガルヘ講演に訪れた際、大乗仏教の聖地に相応しいところだと一目で気に入り、この山を譲り受けて、山上に数年計画で仏教徒の象徴的信仰の対象として釈迦牟尼大仏を建立しました。
 1998年2月6日に落慶式の開眼法要が厳修され、多くの来賓者と10万人の仏教徒と諸宗教関係者が参列して盛大に執り行われました。
 この町には、町を取り囲むようにして10あまりの小高い岩山群があり、そのうちのもっとも高い山の山頂には、ヒンドゥー教の女神が祀られてあって、有名な聖地となっています。30年程前から、その岩山群の山頂にキリスト教やイスラム教の寺院が建立されるようになり、仏教徒たちも自分たちの聖地を持つことを、望むようになりました。
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タイ、チベット、インド、日本僧による法要
 ブラジュニャ・ギリ山の頂上は、遠くから見ると平坦な丘陵に見えます。山頂部はかなり広く、3千坪以上もあって、数年前に熱心な仏教徒たちによって参詣用の階段道も作られました。
 大仏は山頂部の台地の中央の、高さ10メートルの巨大なコンクリート製の台座の上に鎮座されている座高10メートルの釈迦如来の座像です。コンクリート製とはいえとても精巧に作られ、すっきりとしたお顔立ちで、金色に塗られていています。お顔は真っ直ぐ町の中心部を望んでおられ、世界平和祈願はいうまでもなく、人間のみならず一木一草すべての存在が成仏し、安楽国土となることが念じられています。
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賑やかな練り供養
 例年2月6日、大仏で法要が執り行われます。その時には山上より3キロほど離れたドンガルガル駅前の仏教寺院から大仏まで、約3時間ほどかけて練り供養をします。日本のように厳かなものではなく、歌あり踊りあり、爆竹あり、花火ありの賑々しいものです。