天台宗の東海教区が一隅を照らす運動大会

田中・長野県知事が記念講演 人々の心が地域に生きる社会に
天台声明と聖歌隊のコラボレーションも

 天台宗の一隅を照らす運動東海教区本部(村 上圓竜本部長)は、開宗千二百年慶讃記念の名 古屋大会を、十六日午後一時から名古屋市熱田 区の名古屋国際会議場センチュリーホールで開 催した。「共に生きる喜び」のテーマのもとに 約三千人の寺院・檀信徒が参加し、作家で長野 県知事の田中康夫氏の記念講演=写真、ゲスト のインド禅定林のサンガラトナ・法天・マナケ 住職による活動紹介の後、チェコのプラハ・グ レゴリオ聖歌隊と天台声明のコラボレーション (融和)を聴いた。

 開会にあたり、村上本 部長は「伝教大師は『一 隅を照らす、是即ち国の 宝なり』のお言葉を残さ れた。物や地位ではな く、行ないによって人の 価値が決まるということ を全世界に示された。そ の志を心から心へ受け継 ぐのが私たちの使命」と 挨拶した。
 また、壬生照道総本部 長は「仏教は死体の上に あぐらをかき、人の欲を 食いものにし、文化財を 見せ物にしているとの痛 烈な批判がある。一隅運 動は信仰運動だ。仏の心 を育てる菩薩行が一隅を 照らす運動だ。伝教大師 は『亡己利他』とお示し になった。再び仏教に力 を与えていただきたい。 お寺とともに檀信徒の皆 さまに仏教を実践してい ただきたい」と激励の言 葉を述べた。

 「生命・奉仕・共生」 のテーマで講演した田中 康夫氏は、「現代は法律 に抵触しなければ何をし てもよい社会になった。 数字がよければよいとい われる時代になった。成 功した人と、努力途中の 人があまりにも差別のあ る社会になった。今こそ 人々の心が地域に生きて いる社会にしなければな らない」と訴え、「愛国 心の前に愛郷心や愛民 心」を大切にするため に、知事として、どのよ うな政策に取り組んでき たかを話した。

インド禅定林 マナケ住職が活動状況報告
 この後、東海教区本部 の立松圓浄理事長が、教 区本部として支援してき たナグプール郊外のイン ド禅定林について紹介 し、九歳でインドから来 日して比叡山で仏教を学 んだマナケ住職が自らの 半生を語り、インドへ帰 って教育・医療・福祉活 動に身を挺しつつ、現在 は禅定林の大本堂建立に 力を注いでいることを報 告して支援を求めた。
 休憩をはさんで、2000年秋にプラハで大き な反響を呼んだ大原魚山 声明研究会と、プラハ・ グレゴリオ聖歌隊による 東西の祈りのコラボレー ションが上演され、仏教 の古典旋律とキリスト教 の澄みわたる声楽の融和 が聴衆に深い感動を与え た。
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